大人気!ガン沢砂防堰堤

砂防堰堤人気投票でも不動の「No.1」を獲得したガン沢砂防堰堤。
今回は、この砂防堰堤について少し解説したいと思います。

【名称】ガン沢砂防堰堤
【種別】透過型・鋼製J型スリットスクリーン堰堤
【堤高】11.5m
【堤幅】81.0m
【着工】平成31年3月
【竣工】令和2年12月
【管理】長野県姫川砂防事務所

ガン沢砂防堰堤全景
地山接合部は残存型枠を使用
関係者の氏名が記された銘板
地盤改良中の建設現場
ガン沢砂防堰堤 構造一般図

ガン沢は急峻かつ谷幅が広く、さらに軟弱な崩積土層が厚く堆積していることから、コンクリートより軽量な鋼製J型スリット(幅40.0m 重量201.3t)を採用、透過部の幅を広く取ることで配置を可能としました。このことにより、スリットの基礎コンクリート部(堤底)に段差を設ける、極めて珍しい工法を採用しています。
また、現地土砂を有効活用しセメント・硬化剤・水などを使用する砂防ソイルセメントを使って地盤の安定化を図っています。 この砂防堰堤は京都の伏見稲荷にある千本稲荷を想像させる「朱色」で塗られており、非常に印象深い砂防堰堤となっています。

<銘板について>
近年、谷村内では従来の銘板に加え、この砂防事業に関わった方々の銘板が設置されるケースが増えてきています。砂防堰堤を設置するに際し、どんな機関や会社、そして人々が関わったのかが一目でわかる素晴らしいアイデアだと思います。
余談ですが、人類が滅亡した後、新たに支配するもの達が遺跡として発掘した際に名前が現れる・・・何とも言えないロマン溢れる話だと思いませんか?

<庇部について>
万一、越流した場合には流木がスムーズに流れるようになっています。また、冬期の凍結によるつらら落下などにも配慮した結果、このような構造になっています。

ガン沢砂防堰堤は「新」おたりの砂防ダムツアーで訪れます。

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