小谷のそば
山と緑、昔ながらの田畑、厳しくも優しい四季の移ろい。
日本の原風景が残る村、小谷の風土のもと、今年もそばが力強く育ちます。
地元の恵みのそば粉で訪れた人々をもてなすのは、季節を感じながら汗を流す生産者と、美味を届けるそばの打ち手の共同作業です。
小谷の地が育む滋味を作り、地域に根ざす人々の姿をお届けします。
そばをつくる人々
小谷村では、2000年から転作田や遊休農地でのソバの作付けを推奨しています。2002年の作付面積は約10ヘクタールほどでしたが、 *中山間地域等直接支払制度 の利用をきっかけに、今では集落営農組合をはじめとした生産者が遊休農地を利用してそばを栽培し、2024年には作付面積が約40ヘクタールに増え、約14トンを収穫しています。
*中山間地域等直接支払制度…急傾斜等により生産条件が不利で、耕作放棄地の発生の懸念の大きい地域において、一定の条件を満たす農用地で 農業生産活動を行う農業者・農業団体などに支払われる交付金です。
乾燥・製粉施設
小谷村では、地場産そばの地産地消の推進を目的に、「長野県元気な地域づくり交付金」を活用し、乾燥から調整・製粉まで一体的に 行うそば乾燥調整製粉施設「車屋」を旧南小谷小学校跡地に建設し、平成19年10月から運用開始しました。
これまで、収穫したそばは自家で天日乾燥をおこない、村外の製粉加工所へ持ち込んでいました。しかし、 長雨が続くとそばが乾かなかったり、持ち込む玄そばの量が少なすぎると製粉してもらえないなど融通が利かない場合もあり、大変不便でした。 この「車屋」ができたことにより、村外施設へ依存することなく、また農家の作業負担の軽減も図ることができます。
「車屋」は、乾燥段階で室内の除湿と送風、さらに透明な天井や壁から日光を取り入れて天日干しに近い状態で乾燥させる方法をとっているのが特徴です。また、玄そば6トンを保管できる貯蔵冷蔵庫を完備しており、小ロットでの製粉も可能です。
おたりのおそばやスイーツが食べれるお店