最初に
小谷村に甚大な被害をもたらし、以後、2年間にわたりJR大糸線を不通にさせた「平成7年梅雨前線豪雨」(通称 七災)から今年でちょうど30年が経過します。この災害を風化させないため、大きな被害を受けた小谷村がどのように対処し、どのように復興したのかをご紹介させていただきます。
また、復興に大きな関係を持つ砂防事業についても合わせてご紹介します。
平成7年梅雨前線豪雨の概要
平成7年7月11日(火)は北陸地方から長野県北部地域が太平洋高気圧の緑辺となり、そこへ暖かく湿った空気が流れ込むことにより大気の状態が非常に不安定となり、翌12日(水)には本州中部まで南下した梅雨前線が活発になったことからもたらされました。
小谷村南小谷での総雨量は357mm(最大1時間雨量は48mm)を記録しています。


<小谷村南小谷観測所の日時別雨量>
日付/時間 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
7/11 | 0 | 0 | 0 | 5 | 14 | 5 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 13 | 16 | 37 | 48 | 38 | 19 | 17 | 18 | 5 | 9 |
7/12 | 2 | 16 | 17 | 3 | 13 | 5 | 9 | 25 | 10 | 12 | 9 | 7 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |

<豪雨発生のメカニズム>
気象庁長野地方台の予報官グループの分析によると、この大雨は梅雨前線が日本海中部から県下を南下した際に発生し、上空の乾燥した冷たい空気に南からの「湿舌」と呼ばれる暖かく湿った空気が突入。これにより大気の状態が非常に不安定となり、更に山岳地帯特有の地理的条件から激しい上昇気流が発生しました。これにより高度10,000mを越える高さの積乱雲が生成され、大雨が降りやすい大きな気流に小さな低気圧の渦が重なる多重構造になったことが、この大雨の原因であったと発表されています。
<姫川の水位>
平成7年7月11日(火)の午後8時から9時の間に警戒水位(2m)を大幅に超える4m31cmを記録しました。姫川の上流域に位置する北アルプス等の山岳地帯から流入する平川や松川の影響を大きく受けたものと思われます。なお、松川の上流部に位置する猿倉では487mmという想像を絶する降雨量を記録しました。
小谷村の被災状況
人的な被害 | |
負傷・死亡 | 0 |
住家の被害 | |
住家全壊流出 | 28棟29世帯 |
住家半壊 | 7棟7世帯 |
一部破損 | 4棟4世帯 |
床上浸水 | 23棟24世帯 |
床下浸水 | 166棟180世帯 |
被害の概要 | |
村道 | 16路線 |
農業施設 | 214箇所 |
林道 | 18路線 |
治山 | 68箇所 |
鉄道の被害 | |
軌道の崩落・決壊 | 65箇所 |
橋梁の損傷・流出 | 7箇所 |
建物の損傷・流出 | 5棟 |
道路の被害 | |
道路の崩落・決壊 | 127箇所 |
スノーシェッドの倒壊 | 1箇所 |
橋梁の損傷・流出 | 8箇所 |
停電区域 | |
村内全域 | 1,350戸 |
電話・有線の不通 | |
村内全域 | 約500戸 |
画像で見る被災状況















平成7年梅雨前線豪雨 発生時系列
平成7年7月11日(火)-平成7年11月30日(木)
7/11(火) | |
03:40 | 雨が降り始める。 |
10:00 | 雨がいったん止む。 |
11:40 | 気象庁長野地方気象台が全県に「雷注意報」を発令する。 |
14:00 | 再び雨が降り始める。気象庁長野地方気象台が全県に「大雨洪水注意報」を発令する。 |
17:00 | 雨中にて姫川の水位が2.13m(警戒水位 2.0m)まで上昇する。 |
17:02 | 黒川沢が氾濫し若栗地区で溢水する。 |
湯原地区の湯原沢で鉄砲水が発生する。 | |
17:05 | 中土小学校寄宿舎道路が決壊する。 |
17:16 | 県道川尻小谷糸魚川線の山住スノーシェッド内に土砂が流入する。 |
17:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を発令する。 |
14-17時の3時間降雨量は小谷村で66mmを記録。 | |
17:35 | 村道大草連線の宮沢で暗渠が閉塞し溢水のため通行不能となる。 |
北小谷小学校の体育館を避難所として開放する。 | |
17:40 | 村道大草連線が土砂崩落のため通行不能となる。 |
17:45 | 小谷村消防団の全分団に出動命令が発せられる。 |
17:48 | 三ヶ村地区で沢が決壊し住家に浸水する。 |
光明地区でJRの鉄橋に土砂が詰まり村営住宅に浸水する。 | |
17:50 | 国道148号の下里瀬にて全面通行止めとなる。 |
県道奉納中土停車場線の奉納大橋付近にて土砂崩落が発生し通行不能となる。 | |
17-17:50の雨量は小谷村で38mmを記録。 | |
17:55 | 中谷川の吉原橋付近で氾濫し住家に浸水する。 |
村道平間線の鍛冶屋敷地籍で土砂崩落が発生し通行不能となる。 | |
18:00 | 小谷村役場に「7/11 豪雨災害対策本部」が設置される。 |
JR東日本の南小谷駅踏切が浸水する。 | |
千国簡易水道が馬越地区にて破損する。 | |
村道池原下来馬線の池原下地籍の淀沢が氾濫し平岩駅を埋没させ住家へ浸水する。 | |
北小谷小学校の裏山にて土砂崩落が発生し、体育館へ迫ったため避難所を本校へ変更する。 | |
18:05 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
12-18時の6時間雨量は小谷村で121mmを記録。 | |
18:25 | 栂池沓掛地区の県道千国北城線は排水路の溢水により通行不能となる。 |
18:28 | 国道148号の外沢トンネル北側出口約10m付近にて土砂崩れが発生し通行不能となる。 |
18:30 | 栂池沢が溢水し栂池北地区の住宅・旅館などへ浸水する。 |
18:43 | 千国地区の親沢が増水し12戸29人が千国公民館へ避難する。 |
18:49 | 国道148号の北雨中にて唐沢が氾濫し通行不能となる。 |
18:50 | 湯原地区にて湯原沢が氾濫したため避難開始。 |
18:52 | 南小谷小学校のグラウンド山腹で発生した土石流が流入する。 |
19:00 | 下里瀬地区北部の31戸104名が「サンテインおたり」へ避難を開始し21時に全員を収容する。 |
小谷村老人福祉センター上部の小雪倉沢より土石流が発生し周辺住家へ浸水および埋没させる。土砂の堆積量は1.0-1.5mを観測。 | |
栂池地区の若栗沢が氾濫し雪の広場へ浸水。 | |
村道土倉線の国道分岐点で土石流が発生し通行不能となる。 | |
池原下地区の姫川第2発電所が冠水し下里瀬以北・中土・北小谷への送電供給が止まる。 | |
小谷村有線放送の中土・大網・北小谷の各支局が停電し業務不能となる。 | |
19:01 | 坪山地区で土砂崩れが発生する。 |
村道虫尾線の三か所で土砂崩落が発生し通行不能となる。 | |
19:05 | 下寺地区にて土砂崩落が発生し住宅が浸水。7戸177名が北小谷小学校へ避難開始する。 |
19:10 | 上手村地区にて地すべりが発生し中土簡易水道が破損する。 |
村道深原線の戸井笠沢が氾濫し鉄道の踏切が通行不能となる。 | |
姫川温泉地区が停電し電話不通となる。 | |
19:11 | 姫川温泉地区にて川沿いの露天風呂が流出する。 |
蕨平沢が氾濫し住家1棟が全壊。 | |
19:15 | 国道148号は白馬村新田-小谷村県境までが全面通行止めとなる。 |
19:20 | 雨中地区にて住宅下が崩落し1戸1名が避難する。 |
19:21 | 国道148号の高橋スノーシェッド南にて土砂崩落が発生し通行不能となる。 |
19:22 | 県道川尻小谷糸魚川線の白岩地籍にて地すべりが発生し通行不能となる。 |
19:25 | 日道地区にて土砂崩落が発生し平間簡易水道が破損する。 |
19:31 | 上手村地区3戸が公民館へ避難する。 |
19:50 | 中土小学校新つばき寮の玄関先まで土砂が押し寄せる。 |
中土簡易水道が破損する。 | |
19:53 | 県道千国北城線の切久保-落倉間が通行止めとなる。 |
19:55 | 国道148号の小谷橋にて決壊の恐れがあり全面通行止めとなる。 |
20:00 | 村道小丸山線は黒川沢の溢水により大量の土砂に埋没し通行不能となる。 |
20:01 | 峰地区にて土砂崩落が発生し住家1棟が半壊する。 |
20:03 | 国道148号の新湯原橋が土石流のため閉塞し作業員17名が避難を開始する。 |
20:05 | 村道黒川線の黒川平にて土砂崩れが発生し通行不能となる。 |
姫川温泉地区の姫川湯橋が冠水し朝日荘・白馬荘の宿泊客は大網地区へ避難を開始する。 | |
20:15 | 北小谷駅の避難者、土砂が駅に迫ったため北小谷授産所へ移動開始。 |
20:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
20:30 | 雨中にて姫川の水位が4.31m(最高水位)まで上昇する。 |
小谷村役場の災害対策本部が一時停電する。 | |
20:40 | 北小谷授産所の避難者(65名)は駐在の誘導により北小谷小学校へ避難する。 |
県道川尻小谷糸魚川線の高地にて橋流出。 | |
村道滝の平線は土砂崩落のため通行不能となる。 | |
20:44 | 島の湯の1戸5名が北小谷小学校へ避難を開始する。 |
20:49 | 上手村地区の8戸19名が公民館へ避難を開始する。 |
20:55 | 里見地区を流れる黒川沢にて氾濫の恐れあり、住民62名を蕨平地区へと避難させる。 |
21:05 | NTTの85局中継光ケーブルが破損し450回線が不通となる。 |
21:23 | 下寺地区の住民に避難指示命令が出る。 |
21:40 | 李平地区の2戸が住家浸水する。 |
国道148号の下寺スノーシェッドが倒壊する。 | |
23:07 | 村道川内下松沢線の越戸峰下500m付近で土砂崩落が発生し通行不能となる。 |
23:12 | 災害対策本部が一時停電する。 |
23:15 | 池原地区の住民15名が村営住宅へ避難を開始する。 |
23:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
12-22:00の10時間雨量は小谷村で213mmを記録する。 | |
23:50 | 蕨平地区で高圧線鉄塔が倒壊し蕨平以北への給電が止まる。 |
23:51 | 災害対策本部が停電となる。 |
小谷村有線放送本部局が停電となる。 | |
7/12(水) | |
00:12 | 三ヶ村地区の北小谷駅前の住家1棟が半壊する。 |
00:30 | 林道大池線が崩落し栂池簡易水道が破損する。 |
00:48 | 国道148号の下里瀬バイパスにて道路が欠損し通行不能となる。 |
姫川の決壊に備え「サンテインおたり」の避難者をマイクロバスにて「おたり開発総合センター」へ移送する。 | |
04:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
05:20 | 村道清水山線にて地すべりが発生し通行不能となる。 |
05:29 | 村道池原下来馬線と川尻線合流点にて土砂崩落が発生し通行不能となる。 |
池原簡易水道が破損する。 | |
05:30 | 千国地区の公会堂へ避難していた住民は全員帰宅する。 |
05:45 | 村道蕨平線の旧蕨平で陥没し通行不能となる。 |
06:20 | 外沢地区にて村道が欠損し3戸が孤立。有線不通・自家水道が破損する。 |
06:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
7/11の12時からの18時間雨量は小谷村で283mmを記録する。 | |
06:32 | 土谷川土谷橋で氾濫し従業員宿舎1棟が流出する。 |
06:35 | 姫川温泉地区の旅館裏が崩落する。 |
06:56 | 来馬地区の建設会社宿舎に作業員16名が孤立する。 |
07:00 | JR大糸線の中土駅南鉄橋が流出する。 |
県道奉納中土駅停車場線の奉納大橋付近にて土砂崩落が発生する。 | |
国道148号の立の間まで1車線の通行区分が確保される。 | |
07:05 | 孤立者救出のため長野県警のヘリコプターを要請するも悪天候のため飛来できず。 |
07:25 | 中谷管理棟が流出する。 |
07:55 | 三ヶ村から清水山への避難者8名が山中で孤立し消防団員が救助に出動する。 |
07:57 | 孤立者救助のため自衛隊の派遣を知事に要請する。 |
08:00 | 村道黒倉線が崩壊し通行不能となる。 |
国道148号の平倉トンネル北側出口が欠損し通行不能となる。 | |
08:20 | 池原下地区の住民全員が公民館へ避難開始。 |
08:34 | 長崎の十二沢にて鉄砲水が発生する。 |
08:40 | 国道148号の新国界橋が流出する。 |
09:20 | 栂池沓掛地区の電力が復旧する。 |
10:59 | 南雨中・月岡・泥崎・宮の下・黒川の各地区にて電力が復旧する。 |
11:21 | 北雨中・和平の電力が復旧する。 |
11:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
11:40 | 土谷川上部にて土砂崩落が発生し土谷簡易水道が破損する。 |
12:05 | 来馬河原の孤立者16名は大型重機にて自力脱出する。 |
12:10 | 自衛隊撤収要請をする。 |
12:20 | 村道三ヶ村線の野地-合子間が欠損し通行不能となる。 |
12:30 | 三ヶ村から清水山への避難者8名は山中で消防団員により無事救助される。 |
14:20 | 姫川温泉地区の状況が確認される。住家被害多数、平岩地区も甚大な被害を受けていることが判明する。 |
姫川温泉地区の住民・宿泊者153名の避難が継続される。 | |
14:25 | 栂池高原スキー場のチャンピオンゲレンデが崩壊し住家3棟が全壊する。 |
15:17 | 村道土倉線は地元住民により復旧する。 |
15:20 | 中谷地区の状況確認される。県道川尻小谷糸魚川線にて7か所流出、3ヵ所埋没、2か所の崩落を確認。 |
15:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
7/11 12時からの27時間雨量は小谷村で359mmを記録する。 | |
16:00 | 白馬乗鞍温泉スキー場の若栗ゲレンデにて崩落が発生する。 |
17:00 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
宮の下飲料水供給施設の通水が再開される。 | |
17:55 | 三ヶ村地区の野地にて大規模な亀裂が確認される。 |
18:00 | 池原簡易水道が仮復旧し通水が再開される。 |
18:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
7/11 12時からの30時間雨量は小谷村で361mmを記録する。 | |
21:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
7/11 12時からの33時間雨量は小谷村で362mmを記録する。 | |
22:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を継続発令する。 |
7/13(木) | |
05:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を解除し「洪水濃霧注意報」に切り替えて発令する。 |
05:45 | 村道伊折線が流出し集落上部で上堰が決壊する。 |
村道杉山線にて土砂崩落が発生。 | |
06:05 | 中谷東の玉泉寺本堂が被災し車道が40m崩壊する。 |
07:00 | 県道川尻小谷糸魚川線の押立沢地籍で約300mほど崩壊する。 |
07:25 | 県道千国北城線が全面通行止めとなる。 |
07:30 | 小谷村第一消防団より栂池地区全域に避難勧告を発出する。 |
07:50 | ヘリコプターによる孤立地区からの救出活動のため、自衛隊への派遣要請を行う。 |
09:45 | 村道大草連線・神久線・清水山線・大峰線が被災するも詳細不明。 |
10:10 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「洪水注意報」を発令する。 |
10:15 | 長野県警・他県警・自衛隊ヘリコプター・東邦航空(民間)による孤立地域からの救助活動を開始する。 |
10:40 | NTTの幹線ケーブル2本のうち1本が破損する。 |
11:00 | 若栗および蕨平地区の住民63名が「白馬アルプスホテル」へ避難を開始する。 |
11:30 | 栂池・楠川上部青抜地籍で土砂崩落が発生し栂池簡易水道が破損する。 |
13:15 | NTT東日本は北小谷小学校・派出所などに電話を敷設設置する。 |
14:03 | 栂池自然園から観光客16名を民間のヘリコプター(東邦航空)にて救出し千国崎村営グラウンドへ搬送する。 |
14:35 | ヘリコプターからの入電により湯原地区上部に大量の土砂堆積が確認される。 |
17:00 | 千国簡易水道および坪の沢水道が復旧し通水が再開される。 |
17:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部の「洪水注意報」を解除する。 |
17:50 | NTTにより衛星放送受信用施設が小谷村役場に設置される。 |
18:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水注意報」を発令する。 |
自衛隊に撤収要請を行う。 | |
19:00 | 村道笹原線と簡易水道は地区住民により復旧する。 |
19:15 | 戸土地区の状況が入電される。 |
20:00 | 三ヶ村地区上部に亀裂(L=150m)が発見され、地区住民に避難指示が発出される。 |
22:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部の「大雨洪水注意報」を解除する。 |
23:24 | 三ヶ村地区の6世帯15名が北小谷小学校への避難を完了させる。 |
NTTは中土小学校に電話6台を設置する。 | |
7/14(金) | |
07:30 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水警報」を発令する。 |
7/14 03:00からの4時間雨量は小谷村で34mmを記録する。 | |
08:08 | 来馬北畑地籍で土砂崩落が発生し地区住民14名が常法寺に避難する。 |
10:00 | 県道奉納中土駅停車場線の犬川地籍にて欠落・亀裂が発生する。 |
14:41 | 下寺・塩坂・来馬地区の電力復旧により通水が再開される。 |
16:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水注意報」を発令する。 |
7/14 03:00からの13時間雨量は小谷村で39mmを記録する。 | |
18:00 | 雨中・姫川の水位は1.79mを記録する。 |
18:20 | 大網地区に孤立防止無線が設置される。 |
18:45 | 気象庁長野地方気象台は県北部の「大雨洪水注意報」を解除する。 |
19:00 | 県道奉納中土駅停車場線の犬川地籍は夜間通行止めとなる。 |
21:15 | 李平地籍の沢で土砂崩落が発生する。 |
村内の道路各所にて甚大な被害を確認、夜間の通行は極力しないよう全村に放送される。 | |
7/15(土) | |
11:00 | 梨平の水道は仮復旧し通水が再開される。 |
13:00 | 若栗蕨平簡易水道は仮復旧し通水が再開される。 |
17:30 | 中谷川上部で土砂が堆積し川が堰き止められているとの情報が入電し現地確認が行われる。 |
17:50 | 下里瀬地区住民に「おたり開発総合センター」へ避難指示が発令される。 |
18:11 | 中谷川にて現地確認が行われ、土石流の恐れなしと判断される。 |
19:00 | 災害救助法適用決定。 |
大町市より給水車1台・給水タンク1基・ポリタンク等を借り受けし、断水地区への給水を開始する。 | |
7/16(日) | |
08:10 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水注意報」を発令する。 |
08:50 | ヘリコプターによる病人の搬出および生活物資の搬入のため自衛隊へ派遣を要請。 |
17:00 | 小谷村有線放送中土支局では田中地区まで復旧する。 |
7/17(月) | |
00:00 | 平間宮本簡易水道は復旧し通水が再開される。 |
05:40 | 気象庁長野地方気象台は県北部に「大雨洪水注意報」を継続発令する。 |
06:55 | 村道池原下来馬線の北畑地籍にて土砂崩落が発生し住民40名が常法寺に避難する。 |
三ヶ村地区の電力が復旧する。 | |
11:20 | 気象庁長野地方気象台は県北部の「大雨洪水注意報」を解除する。 |
16:50 | 小谷村有線放送本部局は峰立屋地区まで復旧する。 |
7/18(火) | |
08:00 | ヘリコプターによる生活物資・復旧資材搬入のため自衛隊へ派遣を要請する。 |
13:55 | 長野県知事が現地を視察する。 |
14:30 | 村内路線バスは中土郵便局まで1日5往復の運行を再開する。 |
林道西山線の土倉-来馬間が開通する。 | |
県道川尻小谷糸魚川線は小谷温泉まで仮道で通行可能となる。 | |
NTTは孤立防止用無線電話を塩坂地区に設置する。 | |
村営風吹荘にて水道が復旧し通水が再開される。 | |
小谷村有線放送は北小谷支局塩坂地区にて復旧する。 | |
7/19(水)以降 | |
07.19 | 各省庁が被災状況の視察に訪れる。 |
長野県第13区の投票用紙がヘリコプターにて輸送される。 | |
塩坂地区にて電力および電話が復旧する。 | |
小谷村有線放送は中土支局小谷温泉地区にて復旧する。 | |
07.20 | 栂池自然園の営業が再開される。 |
07.21 | 参議院議員通常選挙長野県第13区投票所(大網・姫川温泉)にて繰り上げ投票が実施される。投票率は61.31%を記録する。 |
栂池簡易水道が仮復旧し通水が再開される。 | |
07.22 | 参議院議員通常選挙長野県第13区投票所投票用紙をヘリコプターにて回収する。 |
小谷村有線放送は北小谷支局湯原地区にて復旧する。 | |
07.23 | 参議院議員通常選挙投票日。投票率は68.59%を記録する。 |
07.24 | 大網地区の電話が復旧する。 |
下寺-島の湯間の仮道が開通する。 | |
07.25 | 大町保健所による村内各箇所の消毒作業が完了する。 |
県道川尻小谷糸魚川線は田中下まで一部通行可能となる。 | |
07.27 | 中土簡易水道・平間宮本簡易水道は仮復旧し通水が再開される。 |
08.03 | 国道148号にて平間洞門の通行止めを解除する。 |
湯原地区にて電力が復旧する。 | |
村内避難者全員が住家へ戻る。 | |
08.07 | 全国治水砂防協会の会長他が来村する。 |
08.08 | 姫川温泉より土砂に埋没した車両13台が搬出される。 |
08.17 | 小谷村村議会が開催される。 |
09.08 | 姉妹都市の千葉県白子町より救援物資(新米)が届く。 |
09.14 | 建設省河川局砂防部長が現地視察に訪れる。 |
10.24 | 建設省河川局砂防課長が現地視察に訪れる。 |
11.01 | 小谷村有線放送は大網支局にて復旧する。 |
11.13 | 建設省松本砂防工事事務所長が災害現場の視察に訪れる。 |
11.30 | 小谷村災害対策本部が閉鎖される。 |
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復旧事業について
小谷村の各所で発生した災害に対し、速やかに「砂防激甚災害対策特別緊急事業」が実行されました。この事業の目的と採択基準は下記の通りとなります。
<目的>
土石流等により、激甚な災害が発生した一連地区の荒廃渓流に対し、再度災害を防止するため一定期間内に一定計画に基づく対策工事を実施し、災害対策の万全を期すことを目的とする。
<採択基準>
時期出水により、下流に著しい被害を与える恐れのある堆積土砂並びに崩壊を対象とし、必要となる砂防ダム・床固工・流路工・山腹工等の砂防設備で、次の各号のいずれかに該当するもの。
①下流の被害地域の緊急な整備の遂行上、特に先行して施行する必要のあるもの。
②共の利害に密接な関係を有し、経済上、民生安定上放置しがたいものであって、次のいずれかに被害を及ばす恐れがあると認められるもの。
1)鉄道・高速自動車道路・一般国道・県道・市町村道のうち指定指導及び迂回路のないもの、その他の公共施設のうち重要なもの。
2)官公署・学校または病院等の公共建物若しくは鉱工業施設のうち重要なもの。
3)人家20戸以上。
4)農地20ha以上。
※農地10ha以上20ha未満で、当該地域に在する人家の被害を併せて考慮し、農地20ha以上の被害に相当すると認められるものを含みます。
<小谷村内の砂防激甚災害対策特別緊急事業一覧>
渓流名 | 事業費(単:千円) | 工事概要 |
湯原沢 | 393,100 | 護岸工(L=295.0m) 法面保護工(A=1,350㎡) 押え盛土(V=5,000㎡) |
土谷川 | 653,100 | 鋼製セルダム2基(曽田:H=11.0m / L=103.8m / V=18,510㎥ 奉納:H=10m / L=78.8m / V=17,000㎥) ブロックダム1基(曽田:H=10.1m / L=105.4m / V=6,000㎥) |
土谷川 | 414,500 | 鋼製セルダム2基(1号:H=10.0m / L=81,2m / V=10,801㎥ 2号:H=10.0m / L=61.2m / V=8,850㎥) |
酒谷 | 73,800 | 谷止工3基 山腹工(A=274,5㎡) |
立山 | 28,200 | 谷止工2基 落石防止工(L=31.0m / H=1.5m) |
中谷川 | 568,400 | ダム工1基(コンクリート H=12.0m / L=88.8m / V=10,078㎥) |
上常蔵沢 | 85,000 | ダム工1基(コンクリート H=8.0m / L=48.5m / V=1,3838㎥) 流路工(L=76.0m) |
常蔵沢 | 783,900 | コンクリートダム1基(H=10.0m / L=28.0m / V=4,000㎥) 鋼製スリットダム1基(H=8.0m / L=21.0m / V=2,400㎥) |
渓流名 | 事業費(単:千円) | 工事概要 |
湯原沢 | 393,100 | 護岸工(L=295.0m) 法面保護工(A=1,350㎡) 押え盛土(V=5,000㎡) |
土谷川 | 653,100 | 鋼製セルダム2基(曽田:H=11.0m / L=103.8m / V=18,510㎥ 奉納:H=10m / L=78.8m / V=17,000㎥) ブロックダム1基(曽田:H=10.1m / L=105.4m / V=6,000㎥) |
土谷川 | 414,500 | 鋼製セルダム2基(1号:H=10.0m / L=81,2m / V=10,801㎥ 2号:H=10.0m / L=61.2m / V=8,850㎥) |
酒谷 | 73,800 | 谷止工3基 山腹工(A=274,5㎡) |
立山 | 28,200 | 谷止工2基 落石防止工(L=31.0m / H=1.5m) |
中谷川 | 568,400 | ダム工1基(コンクリート H=12.0m / L=88.8m / V=10,078㎥) |
上常蔵沢 | 85,000 | ダム工1基(コンクリート H=8.0m / L=48.5m / V=1,3838㎥) 流路工(L=76.0m) |
常蔵沢 | 783,900 | コンクリートダム1基(H=10.0m / L=28.0m / V=4,000㎥) 鋼製スリットダム1基(H=8.0m / L=21.0m / V=2,400㎥) |








<小谷村内の災害関連緊急砂防事業一覧>
渓流名 | 事業費(単:千円) | 工事概要 |
戸沢 | 123,000 | 1工区:ダム除石工(V=4,050㎥) 2工区:コンクリートスリットダム(H=9.0m / L=44.5m) |
真木沢 | 213,000 | 1工区:道路工(L=133.6m)コンクリートダム(H=11.0m / L=73.0m) 2工区:コンクリートスリットダム(H=10.0m / L=35.0m) |
湯原沢 | 468,000 | 1工区:ダム工2基(コンクリートダム:H=11.0m / L=73.0m コンクリートブロックダム:H=7.6m / L=58.7m) |
塩沢 | 162,000 | 1工区:ダム除石工(V=800㎥) 2工区:コンクリートスリットダム(H=10.0m / 29.0m)導流堤工(H=3.4-4.2m / L=18.8-24.6m) |
白井沢 | 433,500 | 1工区:流路工(298.5m)コンクリートダム(H=5.0m / L=19.0m) 2工区:コンクリートダム(H=8.0m / L=50.0m)鋼製B型スリットダム(H=6.0m / L=17.0m) 3工区:土留工(L=49.0m) |
濁沢 | 384,000 | 1工区:流路除石工(V=27,000㎥) 2工区:コンクリートダム(H=10,0m / L=58.0m) 3工区:コンクリートダム(H=10.5m / L=61.5m) |
戸井笠沢 | 225,000 | 1工区:コンクリートダム(H=14.0m / L=47.0m)流路工(L=59.9m) |
光明沢 | 180,000 | 1工区:流路除石工(V=6,770㎥) 2工区:コンクリートダム(H=14.0m / L=35.0m) |
土沢川 | 388,500 | 1工区:道路築造工(L=660m) 2工区:コンクリートブロックダム2基(下寺:H=8.5m / L=68.3m 下寺:H=10.4m / L=72.3m) |
小山沢 | 162,000 | 1工区:コンクリートダム2基(外沢:H=6.5m / L=18.0m 外沢:H=6.5m / L=18.0m) 2工区:コンクリートダム(H=6.1m / L=37.0m) 3工区:流路工(L=40.5m) |
社沢 | 180,000 | 1工区:コンクリートダム(H=10.0m / L=32.0m)流路工(L=23.1m) 2工区:床固工2基および流路工(L=250.0m) |
黒木沢 | 177,000 | 1工区:鋼製枠ダム(H=7.0m / L=51.0m) |
稲葉沢 | 90,600 | 1工区:コンクリートダム(H=9.0m / L=36.0m) |
十二沢 | 570,000 | 1工区:流路除石工(4,340㎥) 2工区:コンクリートダム(H=9.0m / L=62.0m)流路工(L=160m) 3工区:コンクリートダム(H=14.0m / L=86.0m) |
千沢 | 193,500 | 1工区:鋼製旧格子型スリットダム(H=12.0m / L=46.0m) |
滝沢 | 166,500 | 1工区:コンクリートダム(H=10.0m / L=32.0m)流路工(L=100.0m) |
戸石沢 | 267,000 | 1工区:コンクリートダム(H=11.0m/ L=53.0m) |
淀沢 | 627,000 | 1工区:流路除石工(V=890㎥) 2工区:流路除石工(V=860㎥) 3工区:ダム除石工(V=1,000㎥) 4工区:仮橋工(1式) 5工区:流路工(L=103.0m) 6工区:鋼製枠ダム2基および流路工(L=135.7m) 7工区:流路工(L=351.5m) |
土谷川 | 1,046,400 | 1工区:コンクリートブロックダム(H=10.3m / L=85.1m) 2工区:コンクリートスリットダム(H=10.0m / L=62.0m) 3工区:コンクリートブロックダム(H=4.4m / L=94.0m) |
日道沢 | 204,000 | 1工区:コンクリートダム(H=8.5m / L=45.0m)流路工(L=85.0m) |
七滝沢 | 201,000 | 1工区:除石工(V=2,340㎥) 2工区:コンクリートダム(H=10.0m / L=59.0m) 3工区:山腹工(A=1,899㎥) |
横根沢 | 553,500 | 1工区:コンクリートダム(H=10.0m / L=53.7m) 2工区:コンクリートブロックダム(H=8.5m / L=42.3m) 3工区:護岸工(L=180.0m) 4工区:土石流監視施設(1式) |
唐沢 | 456,000 | 1工区:流路除石工(V=390㎥) 2工区:ダム除石工(V=1,000㎥) 3工区:鋼製ダム(2基)流路工(L=230.5m) 4工区:流路工(L=223.2m) |
大足沢 | 210,000 | 1工区:谷止工(11基) 床固工(4基) 流路工(L=60.3m) |
黒川沢 | 412,500 | 1工区:コンクリートスリットダム(H=14.0m / L=70.0m) 2工区:ダム除石工(V=5,000㎥) |
坪の沢 | 480,000 | 1工区:流路工(L=186.0m) 2工区:コンクリートスリットダム(H=10.0m / L=78.0m) |
西親沢 | 813,000 | 1工区:コンクリートスリットダム(H=10.0m / L=95.0m)護岸工(L=90.0m) 2工区:コンクリートブロックダム(H=8.3m / L=86.3m) 流路工(L=93.0m) |
川内沢 | 144,000 | 1工区:床固工(5基)流路工(L=230.0m)山腹法留工(8基) |
松沢 | 207,000 | 1工区:鋼製旧格子型スリットダム(H=13.0m / L=64.0m)護岸工(43.4m) |






<小谷村内の災害関連緊急地すべり対策事業一覧>
地区名 | 工事概要 | 事業費(千円) |
清水山 | 【1工区】 集水井3基(H=16.0m H=23.0m H=33.0m) 横ボーリング工(L=325.0m) 水路工(L=1,107.0m) 法枠工(A=1,126㎡) 土留工(鋼製枠11基) 土留工(布団篭6基) 流路工(L=167.0m) アンカー工(57本) 【2工区】 ダム嵩上工1基 | 630,000 |
城 | 【1工区】 集水井3基(H=12.0m H=13.0m H=15.0m) 横ボーリング工(L=504.0m) 排水工(L=897.0m) 法枠工(A=7,800㎡) アンカー工(60本) 土留工(鋼製枠 L=187.0m) | 540,000 |
大久保 | 【1工区】 横ボーリング工(L=2,345.0m) 排水工(620.0m) 土留工(鋼製 H=2.0m / L=90.0m) 谷止工2基(鋼製 H=4.0m / L=14.0m) 谷止工2基(H=4.0m / 10.0m) | 165,000 |
来馬 | 【1工区】 集水井2基(H=11.0m) 横ボーリング工(L=1,100m) 排水工(L=190.0m) 土留工(L=45m) 法面工(A=4,000㎡) | 150,000 |
神久 | 【1工区】 アンカー工(85本 L=16.0m-20.0m) 排土工(V=15,000㎡) 排水工(291.0m) 横ボーリング工(L=1,745.0m) 【2工区】 排水工(L=423.0m) 横ボーリング工(L=730.0m) 抑止杭工(22本 Φ318.5 L=11.5m) | 270,000 |
八方岩 | 【1工区】 横ボーリング工(L=1,130.0m) 集水井1基(H=11.0m) 土留工(L=280.0m) 排水工(L=310.0m) 押え盛土(V=37,000㎥) | 180,000 |
塩の久保 | 【1工区】 横ボーリング工(L=2,315.0m) 抑止杭工(15本 Φ350.0 L=13.0m) 排水工(L=320.0m) | |
半坂 | 【1工区】 横ボーリング工(L=1305.0m) 排水工(L=567.0m) 谷止工1基 抑止杭工(29本 Φ406.4 L=17.0m) | 162,000 |
長崎 | 【1工区】 横ボーリング工(L=632.0m) 法枠工(A=650.0㎡) 排水工(L=305.0m) | 90,000 |
白岩 | 【1工区】 横ボーリング工(L=1,750.0m) 排水工(L=670.0m) 抑止杭工(31本 Φ508.0 L=15.5m) | 165,000 |
光明 | 【1工区】 横ボーリング工(L=200.0m) 排水工(L=320.0m) 抑止杭工(37本 Φ508.0 L=24.5m) | 240,000 |
曽田 | 【1工区】 横ボーリング工(L=1,435.0m) 排水工(L=278.0m) 抑止杭工(32本 Φ406.0 L=17.0m) | 120,000 |
池原 | 【1工区】 横ボーリング工(L=1,100.0m) 排水工(L=290.0m) 法面工(A=3,600㎡) 土留工(L=27.0m / H=3.0m) | 90,000 |
市場2号 | 【1工区】 横ボーリング工(L=1,295.0m) 土留工(L=300.0m / H=2.0m) 排水工(L=460.0m) | 135,000 |
葛草連 | 【1工区】 横ボーリング工(L=1,130.0m) 排水工(L=298.0m) 法面工(A=2,500㎡) | 90,000 |
北雨中 | 【1工区】 横ボーリング工(L=2,920.0m) 排水工(L=410.0m) | 120,000 |
虫尾 | 【1工区】 横ボーリング工(L=870.0m) 法枠工(A=960㎡) | 90,000 |
計 | 3,405,000 |



<小谷村内の災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業一覧>
地区名 | 工事概要 | 事業費(千円) |
光明 | 【1工区】 横ボーリング工(31孔 L=570.0m) 法枠工(A=4,450㎡) アンカー工(108本) ロックボルト(150本) 落石防止柵(上部 L=36.0m)※傾斜部10基 谷止工1基 もたれ擁壁工(L=57.0m) | 354,000 |


警戒避難に関するアンケート調査の結果報告
災害発生後の8月に実施された警戒避難の実態に関するアンケートから、災害時の避難行動の特徴が整理されました。アンケートの回答数は小谷村(1,170世帯)と糸魚川市(43世帯)となっており、集計および分析に関しては集落の位置的条件を考慮し、以下の3地区に分類されました。
A地区:地形的になだらかで普段は土砂災害の危険性をあまり感じない地区。
B地区:土砂災害の危険性を認識しやすい地形条件だが、災害時でも孤立する可能性が低いと考えられる地区。
C地区:土砂災害の危険性を認識しやすい地形条件であり、災害時には孤立する可能性が高いと考えられる地区。
地区分類 | 地区名 | 世帯数 | 回答数 |
A地区 | 栂池南・栂池北・峰・立屋・蕨平・里見・小滝 | 411 | 226 |
B地区 | 川上・千国・五区・土倉・南雨中・黒川・伊折・月岡・池の平・平間・日道・番馬・池原 池原下・下里瀬・虫尾・北雨中・下寺・島・塩坂・湯原 | 545 | 493 |
C地区 | 石坂・奉納・曽田・上手村・中通・太田・石原・白岩・黒倉・外沢・清水山・瑞穂・長崎 中谷東・中谷西・松本・神久・千沢・高地・真木・大草連・田中・湯・来馬・深原・李平 三ヶ村・大網・姫川温泉・平岩 | 566 | 488 |
計 | 55地区 | 1,522 | 1,207 |
<現在地の居住年数>
B.C地区は30年以上居住している人が圧倒的に多いのに比べ、A地区は比較的新しい住人が多く見られます。新しい人ほど安全な場所に居住していることから、過去の災害発生地が周知され、危険性の高い土地を避けている傾向があります。
<土砂災害の経験>
A地区では全く経験がない人が7割程度であるのに対し、B.C地区は3-5割程度と少ないことから土砂災害が身近なものであることが判ります。当然ですが、居住年数や年齢と関連付けできる項目であると考えられます。
<避難経験>
上の図で約1-3割と差が出ているにも関わらず、実際に避難したことのある人は各地区ともそれほど多くありません。むしろ、被災経験の多いC地区が危険な状態になっても自宅に留まっている傾向が強く見られます。
<土砂災害危険個所の認知>
自分の家の近くに土砂災害の危険個所があるという認識は明らかにB.C地区の方が高く、危険性の認知は概ねなされていると言えます。これは居住地区の問題というよりは、過去の経験や体験が認知させていると考えられます。
<避難場所の認知>
避難場所をはっきりと知っている人はA.B地区ともに5割弱であることに対し、C地区では2割程度と低くなっていました。図3で見られた「被災経験の多いC地区が危険な状態になっても自宅に留まっている傾向」と関連付けできる数値だと考えられます。
<実際の避難場所>
A.B地区では7割近くが公共建物に避難しているが、C地区では5割以上が公共建物以外に避難しています。これは経験の積み重ねから安全な場所を知っている一方、災害発生時には遠方にある公共建物へは移動できないことを物語っています。
<避難先への交通手段>
A地区では圧倒的に自動車が多いが、B.C地区になると徒歩の割合が多くなります。これは地形的条件が厳しく土砂災害の危険性が高い地区ほど自動車で移動することが困難になることが伺い知れます。従って、このような地区こそ各小集落内に適切な避難場所を設置する必要があると言えます。
まとめ
平成7年梅雨前線豪雨に伴う「七災」は、激しい土砂移動現象が広範囲の地域で発生したにも関わらず、人的な被害が発生しなかったことは大いに注目されるべき点であり、以下にその要因を示します。
(1)
土石流危険渓流の下流部等では土砂の流出により家屋被害も出ましたが、砂防設備等により流下エネルギーを減勢し整流させることで限られた時間内の避難を可能にしたり、流出土砂量を抑制したことで被害範囲を狭めることができた。
ただし、各砂防堰堤は土砂調節機能を発揮したにも関わらず、生産土砂量が膨大であったため、姫川本流へ大量の土砂を流下させ、一部区間で異常な河床上昇を引き起こし、沿川に甚大な被害を与えてしまった。
(2)
今回の災害では、初期段階での電気・通信・交通の途絶により状況把握や情報伝達・防災・警戒避難活動の指示は困難を極めた。ただし、一部の地区では車載無線やアマチュア無線が大いに活用された。
(3)
災害発生初期における避難活動は、周辺での災害現象を実際に確認してから行われたケースが多く、警戒・予知という観点からは遅かったと言える。
(4)
古くからある山間の集落は、土砂災害に対して比較的安全な場所に位置し、災害発生時であっても移動しないほうが安全だと判断するケースが多く見られた。
(5)
避難するかどうかの判断は、土砂災害を身近に経験したことがあるかよりも、むしろ安全・迅速に避難できる適切な場所が近くにあるかという物理的な条件と、役場・消防からの働きかけがあったかということに左右されていた。
(6)
山間地の避難者の中には、直接的な土砂災害からの避難以外に、孤立による当面の生活維持が困難となったための手段としたものも、少なからず含まれている。
(7)
孤立していない地区では、避難に関して役場などの指揮系統(コントロール)が効いていたが、孤立した地区においては消防団や区長による自主的な判断が功を奏した結果となった。
(8)
避難先が危険な状態になり、二次避難・三次避難が必要となった地区(下里瀬地区など)もあったが、住民同士の繋がりが強いこともあり、混乱などはなく実施された。
(9)
避難したことに対する評価、今後の避難勧告への対応、避難勧告の積極的な発令等に関しては、いずれも大多数の住民から肯定的な意見が聞かれた。
災害関連行事・現地視察などの状況
平成7年7月-12月
7/11 | 平成7年梅雨前線豪雨災害発生 |
小谷村災害対策本部設置 | |
長野県災害対策本部設置 | |
姫川砂防事務所職員現地(被災状況)調査等開始 | |
7/13 | 自衛隊・民間ヘリコプターによる孤立者の救援実施 |
7/17 | 姫川砂防事務所へ第一次応援職員(臼田建設事務所・佐久建設事務所・上田建設事務所・松本建設事務所)6名派遣される |
長野県土木部長他現地視察 | |
長野県議会新風クラブ現地視察 | |
7/18 | 長野県知事視察 |
長野県議会県政会現地視察 | |
7/19 | 国土庁による現地視察 |
7/31 | 姫川砂防事務所へ第二次応援職員(臼田建設事務所・佐久建設事務所・上田建設事務所・松本建設事務所)6名派遣される |
8/7 | 長野県議会土木住宅委員会現地視察 |
全国治水砂防協会長ほか現地視察 | |
8/18 | 姫川砂防事務所へ第二次応援職員(臼田建設事務所・佐久建設事務所・上田建設事務所・諏訪建設事務所・松本建設事務所)6名派遣される |
9/1 | 姫川砂防事務所の職員9名増員される |
9/6 | 参議院災害対策特別委員会現地視察 |
9/14 | 建設省砂防部長現地視察 |
9/18 | 公共土木施設第二次災害査定(22日まで) |
9/27 | 姫川・関川水系土砂災害復旧検討委員会開催 |
9/29 | 長野県副知事現地視察 |
9/30 | 参議院 岩井災害対策特別委員現地視察 |
10/7 | 建設省砂防課現地視察 |
10/16 | 公共土木施設第三次災害査定(20日まで) |
10/24 | 建設省砂防課長現地視察 |
11/14 | 建設省防災海岸課長現地視察 |
11/17 | 長野県出納長現地視察 |
11/27 | 公共土木施設第四次災害査定(28日まで) |
12/26 | 衆議院災害対策特別委員会委員長現地視察 |
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このページの作成に際しては以下の資料を参考にさせていただきました。
砂防激甚災害対策特別緊急事業(長野県土木部砂防課)
平成七年七月 梅雨前線豪雨災害の記録(長野県治水砂防協会 姫川支部)